(注意)こちらは、2022年8月発行の、院内広報キトキト第54号の記事の一部です。
こんにちは、8月になりました。
当院には、舌の模様が日々変わる、という症状で受診いただく方もおられます。
今回は、地図状舌(ちずじょうぜつ)について少しお話をします。
【地図状舌とは】
舌の表面に、様々な大きさの円形あるいは半円形の地図状に、不規則に白色の厚くなった部分と赤い斑を生じる病変とされます。
日によって位置や形態が変わるという特徴があります。
女性や10歳以下の小児に多いとされます。
多くは、半年から数年の間、症状が出たり治まったりするようです。
【原因】
不明とされます。
ビタミンBの不足、心身のストレス、体質異常、内分泌障害、アトピー、遺伝などが考えられているようです。
【治療】
痛みなどの症状を伴わなければ、治療は不要とされますが、食物がしみるなどの際には、刺激物を避けること、副腎皮質ステロイド軟膏の塗布などが挙げられます。
【漢方医学的には】
気・血の不足によるとの考え方や、ストレスに対する抵抗力の低下などによる舌後方や咽喉頭の血流障害などの関連の可能性もあるとされ、小児の場合も含めて半夏瀉心湯や、補気・補血を目的とした方剤の選択が考えられます。
参考
・口腔内科学 永末書店 2016
・舌診入門テキスト 丸山彰貞 著 たにぐち書店 2010
・歯科漢方医学 歯科漢方医学教育協議会 監修 永末書店 2018
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和