(注意)こちらは、2024年1月発行の、院内広報キトキト第70号の記事の一部です。
明けましておめでとうございます。
年末年始、お子様とゆっくり(いや、かえってバタバタでしょうか?)過ごす中で、「あれっ?この子の口の中の、これって何?」があるかもしれません。
今号と次号で、子供の口腔粘膜の異常を少し取り上げます。
潰瘍の形成
・アフタ
口内を噛んでしまうなどで生じる、丸い潰瘍です。成人でもよくありますが、子どもでも生じます。
1週間程度での自然治癒も期待されますが、痛みで食事を摂りにくいようであれば、口腔用軟膏の処方などを検討します。
・リガ・フェーデ病
新生児や乳児の舌の裏の前方に発生します。下の前歯が刺激になり生じる、潰瘍の一種です。刺激が長引くと、硬いしこりになることがあります。
ミルクを飲む量が減る、体重が増えないなどで気づくことがあるようです。
小児歯科様などで、刺激になっている歯への対応や保護用の装置の作製をいただくなどで、軽減することがあるようです。
色と形が変化する疾患
・地図状舌
舌の表面から縁に、まるで地図のような模様を生じます。
原因は不明で、成人の方にも見られますが、子どもに発症することが多いようです。
自覚症状がなければ、治療は不要とされます。痛みを訴えるならば、口腔用軟膏の処方などを検討します。
・外来性色素沈着
鉛筆などをくわえての自傷による、黒や褐色などの色素沈着が、子どもでは起こるようです。
よくない病気に似ていることもあるため、お口の粘膜がなんだか変な色だなと思いましたら、一度受診をご検討ください。
参考:坂下 英明 子どもの口腔粘膜の異常・病変 令和2年度 日歯生涯研修ライブラリー
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和