(注意)こちらは、2024年3月発行の、院内広報キトキト第72号の記事の一部です。
こんにちは、3月になりました。
今号は、本広報第59号で取り上げました「バーニングマウス症候群」の薬物療法につきまして、「慢性疼痛診療ガイドライン」の内容を参考に取り上げます。
本ガイドラインの中では、
①クロナゼパム局所投与
②カプサイシン局所投与
が挙げられており、ともに推奨度2(弱)「使用することを弱く推奨する」、とされています。
今回は①クロナゼパム局所投与を取り上げます。
【クロナゼパム局所投与】
「クロナゼパム1ミリグラムを、舌の上に乗せて唾液で溶かし、口腔内の痛みの部位付近に3分置き、その後、唾液ごと吐き出す行為を1日3回行う」
とあります。
これが、プラセボ(偽薬)と比較して、痛みの強度が軽減し、短期(3か月)・長期(6か月以降)において鎮痛効果を示したこと、局所投与後の副作用(味覚障害・口腔乾燥)はないこと、クロナゼパムの有用性はあると考えるが、推奨度は低い、との解説があります。
なお、クロナゼパムは、本広報第63号でも取り上げておりますが、本邦ではバーニングマウス症候群などに適応は通っておらず、当院では保険診療では使用できません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和