院長ひでかずのブログ:ひでかず歯科口腔外科クリニック

ひでかず歯科口腔外科クリニック、院長の佐藤英和です。当院で月1回発行している「院内広報キトキト」のテーマ記事、「院長ひでかずの小話」などを掲載していきます。口腔粘膜・口臭が気になる方に少しでもお役に立てましたら幸いです。

認知症とお口の症状【院内広報キトキト第99号】

注意)こちらは、2026年6月発行の、院内広報キトキト第99号の記事の一部です。

 

 6月になりました。

 認知症の高齢者の増加が社会的な課題となっております。

現在、高齢の方の5人に1人は発症するとされています(*3)。

 口腔との関連はどうでしょうか。

今回は、認知症と口腔について、少し取り上げます。

 

認知症のリスクになる、歯や口のトラブル

歯がない・少ない

 半数以上の歯を失った方、歯の本数が少ない方ほど、アルツハイマー型認知症の有意なリスクファクターとなることが示唆されています(*1)。

 

固い物が噛めない

 咀嚼力が低下している方は、認知機能障害の発症リスクが有意に高いと報告されています(*1)。

歯周病

 アルツハイマー型認知症の方では、脳内から、歯周病菌のリポ多糖が検出されたこと、歯周病菌に対する抗体価が有意に増加していること、歯周病菌抗体レベルは、思い出す力や計算力の低下と相関があったとの報告などがあります(*1)。

 

お口のトラブル、認知症の影響かも?

口腔セネストパチー(広報第91・92号)」が、レヴィー小体型認知症に先行して発症するという報告があるようです(*2)。

口腔セネストパチー①【院内広報キトキト第91号】 - 院長ひでかずのブログ:ひでかず歯科口腔外科クリニック

口腔セネストパチー②【院内広報キトキト第92号】 - 院長ひでかずのブログ:ひでかず歯科口腔外科クリニック

 

 日頃から、歯や歯ぐきを大切にして、お口の機能を維持することは、認知症への対策としても大事ですね。

 

参考:

*1 公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 認知症

*2 梅﨑ら 高齢者に見られる口腔セネストパチーの特徴と対応 老年歯学 2025

*3 木本克彦 認知症と口腔機能 日本歯科医師会雑誌  vol 75 No.8 2022

 

 

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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院長 佐藤英和

舌痛症・バーニングマウス症候群と 注意欠如多動症(ADHD)【院内広報キトキト第98号】

注意)こちらは、2026年5月発行の、院内広報キトキト第98号の記事の一部です。

 

 5月になりました。

 先日、東京大学医学部付属病院のウェブサイトで、「ADHDの治療で舌痛症が改善~脳機能に着目した新たなアプローチ~」という記事を見つけました(*1)。

興味深い記事です。

 舌痛症については、バーニングマウス症候群(本広報の第59号をご参照ください)と同じと考えてよいかと存じます。

↓↓

hidekazustom.hatenablog.com

 

注意欠如多動症(ADHD)とは?

 「発達水準からみて不相応に、注意を持続させることが困難、順序立てて行動することが苦手、落ち着きがない、待つことが苦手、行動の抑制が難しい、といった特性が、12歳以前から持続的に認められ、そのために学校・家庭・職場などの生活場面で困難が生じている状態」とされます。(*2)

 成人期にも2.5%の有病率で持続することがあるようです。  

 

東大医学部付属病院の記事のポイント

治療抵抗性舌痛症患者の9割以上にADHDが併存しており、ADHD治療により舌の痛みや不安などの症状が有意に改善したこと

・舌痛症に対してADHDの診断と治療を導入し、脳血流SPECTにより治療前後の脳機能変化を可視化した世界初の報告であること

慢性痛の背景にADHDが隠れている可能性を示し、今後の痛み診療におけるADHDのスクリーニングや精神科との連携の重要性を提起した

 

が挙げられていました。

治療を受けてもなかなか改善が見られない舌痛症・バーニングマウス症候群の方は、ADHDも念頭に置く必要がありそうです。

 

参考:

*1東京大学医学部付属病院ウェブサイト 2025年11月19日

*2発達障害ナビポータル(国が提供する発達障害に特化したポータルサイト)より

 

 

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院長 佐藤英和

口腔潜在的悪性疾患 ~WHO分類第5版より~【院内広報キトキト第97号】

注意)こちらは、2026年4月発行の、院内広報キトキト第97号の記事の一部です。

 

 4月になりました。

本広報第40号で、「口腔潜在的悪性疾患」について取り上げましたが、

 

口腔潜在的悪性疾患 ~口腔がんに気を付けたい疾患~【院内広報キトキト第40号】 - 院長ひでかずのブログ:ひでかず歯科口腔外科クリニック

 

WHO分類第5版において変更があったので、今回取り上げます。

 

おさらい:口腔潜在的悪性疾患とは?

 

「口腔潜在的悪性疾患」は、2017年にWHO国際分類に記載され、口腔がんを発症する可能性が高いため、注意深い経過観察が必要な疾患とされています。

 

WHO分類第5版での口腔潜在的悪性疾患

【2017年のWHO国際分類から、継続して記載されているもの】

紅板症、紅板白板症、白板症、増殖性疣状白板症、口腔粘膜下線維症、先天性角化異常症、無煙タバコ角化症、リバーススモーキングによる口蓋角化症、口腔扁平苔癬、エリテマトーデス

 

【 WHO分類第5版で新たに記載されているもの】

 口腔扁平苔癬様病変、口腔移植片対宿主病、家族性がん症候群、ファンコニー貧血、色素性乾皮症、リ・フラウメニ症候群、ブルーム症候群、毛細血管拡張性運動失調症、カウデン症候群

 

 スペースの都合上、それぞれの疾患についてお話ができませんが、日本国内ではまず見られないもの、まれなもの、当院でも診察で発見するものがございます。引き続き注意して診察していきたく存じます。

 また、当院のキトキト検診①口腔粘膜検診もぜひご活用くださいませ。 

 

キトキト検診(25/50)【2024年9月23日更新】 - 院長ひでかずのブログ:ひでかず歯科口腔外科クリニック

 

参考:中野敬介ら WHO頭頸部腫瘍分類第5版における口腔上皮性腫瘍分類の改訂点 

口腔腫瘍37巻2号31~39頁 2025

 

 

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院長 佐藤英和

オーラルフレイルと味覚障害【院内広報キトキト第96号】

注意)こちらは、2026年3月発行の、院内広報キトキト第96号の記事の一部です。

 

3月になりました。

みなさん、美味しく食事を召し上がっていますか?

 

加齢お口の機能の衰えは、少なからず食事の美味しさにも影響を及ぼすようです。

今回はオーラルフレイルと味覚障害について少し取り上げます。

 

加齢によって味覚は低下するのか?】

50歳代から、加齢に伴い味覚低下の傾向はみられるようです。

男性のほうが比較的その傾向があるようです。

徐々に進行するため、自覚しにくい面もあるようです。

「味を感じなくなった」との訴えよりも、「食欲低下」や「嗜好の変化」として現れることも多いようです。

ちなみに「甘み」はそれほど低下しないようです。

 

なんか美味しくないは、嗅覚障害かも?】

高齢の方で「甘いとか塩辛いとかは分かるんだけど、コーヒーやカレーの味が分からない素材のうまみが分からない」といったお訴えの方は、加齢による嗅覚機能の変化風味障害があるかもしれません。耳鼻咽喉科への受診もご検討ください。

 

オーラルフレイルと味覚障害】

食べ物を噛む(咀嚼)や飲み込む(嚥下)機能や唾液の量は、「おいしさ」に関連が深く、味覚にとっても重要な要素とされます。

オーラルフレイルは全身のフレイル、サルコペニア、低栄養を引き起こすと考えられています。

美味しく食べるために、オーラルフレイルのチェックと管理は大切です。

 

当院でも口腔機能低下症を疑う方には、口腔機能精密検査を実施しておりますので、気になる方はお声掛けくださいませ。

 

参考:高齢者における味覚障害 – フレイルの視点を加えて

任智美 臨床栄養 Vol.147 No.5 2025.10

 

【院長ひでかずの小話】

味覚検査、以前は当院でも「濾紙ディスク法」を行っていましたが、検査キットの販売終了で現在(2026年3月時点)は行えておりません。 

味覚検査のうち

濾紙ディスク法」は全国で6か所の大学病院での実施のみとのことです。

また「電気味覚検査」で使用する電気味覚計の保有率は耳鼻咽喉科診療所で5.6%病院・大学病院で39.6%とのことです。

参考:令和7年11月20日の医療技術評価分科会に提出された医療技術評価提案書(整理番号327203)

全国的にも、味覚検査を受けることはなかなか厳しい印象を受けます。

 

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院長 佐藤英和

サンシシ(山梔子)の入った漢方薬で 腹痛、気持ち悪さが出たら【院内広報キトキト第95号】

注意)こちらは、2026年2月発行の、院内広報キトキト第95号の記事の一部です。

 

 お寒うございます。2月になりました。

当院では、口腔内の症状に対し、サンシシ(山梔子クチナシの果実)という生薬を配合した漢方エキス剤を処方することがあります。

 この副作用に、「腸間膜静脈硬化症(ちょうかんまく じょうみゃく こうかしょう)」というものがあり、注意が必要です。今回はそのお話を少しいたします。

 

【どんな副作用?】

 腹痛(約45%)、下痢(約17%)、腹部膨満(約17%)、イレウス(腸閉塞:約17%)、悪心・嘔吐(約11%)、便秘(約8%)、血便(約7%)。

また、無症状も約23%あるようです。

 

【服用期間はどのくらいでその副作用が出るの?】

服用期間5年以上の方が約93%10年以上の方が約70%であるようです。長期に服用している方は注意が必要です。

 

【サンシシはどの漢方薬に入っているの?】

茵ちん蒿湯(いんちんこうとう:口内炎に適応あり)、

加味逍遙散(かみしょうようさん:第10回NDBオープンデータで歯科で処方する漢方薬量5番目)、

他、

黄連解毒湯、辛夷清肺湯、温清飲、加味帰脾湯、荊芥連翹湯、五淋散、柴胡清肝湯、梔子柏皮湯、清上防風湯、清肺湯、防風通聖散、竜胆瀉肝湯

が挙げられています。

 

参考:松井敏幸・清水誠治 漢方薬による腸間膜静脈硬化症. 日本生薬製剤協会 2016

 

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最後までご覧いただきありがとうございました。

ひでかず歯科口腔外科クリニック 

院長 佐藤英和

 

 

 

じいちゃん・ばあちゃん・おまごさん 揃ったところでチェックしよう♪ ~オーラルフレイルとお口ぽかん~【院内広報キトキト第94号】

注意)こちらは、2026年1月発行の、院内広報キトキト第94号の記事の一部です。

 

 1月になりました。

 今回は「オーラルフレイル(お口の機能のささいな衰え)」と「お口ぽかん(口唇閉鎖不全)」について、一般の方でもできる簡単なチェックをお示しします。

当てはまったら、歯医者さんに相談しましょう!

 

50歳以上のみなさん

  • 歯が20本以上ある
  • お茶や汁物でむせない

  • 固いものでも食べられる
  • 口はうるおっている
  • 会話に困らない

5つのうち、3つ以上当てはまらなければ

オーラルフレイルです

参考)Oral frailty 5-item Checklist : OF-5

 

こども(18歳未満)のみなさんへ

  • しゃべらないときに、くちびるはとじている
  • くちびるをとじたら、「は」がかくれる
  • くちびるは、かわいていない
  • 「まえば」はいつもしろい
  • たべるとき「くちゃくちゃ」おとがしない

1つでも当てはまらなければ

「お口ぽかん」かもしれません

 

参考)2025 日本学校歯科医会会誌 付録

 

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最後までご覧いただきありがとうございました。

2026年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ひでかず歯科口腔外科クリニック 

院長 佐藤英和

 

 

お口の機能の衰えからくる口腔乾燥【院内広報キトキト第93号】

注意)こちらは、2025年12月発行の、院内広報キトキト第93号の記事の一部です。

 

12月、今年も早いもので残りわずかとなりました。

今回は、今月上旬に、所属の歯科医師会内で講演を承りましたため、そこでお話する「ドライマウスを診る立場からみたオーラルフレイル」内容を一部取り上げます。

 

・食事を噛みにくい

・噛んでいるうちに疲れてしまう

・入れ歯が合わない、歯が少なくて噛めない

 

このような不具合を原因として唾液が少ない・唾液がねばつく、口がかわくと感じるのは、口腔乾燥症の新分類(*1)によると、「末梢性分泌刺激障害」による口腔乾燥症に位置づけられます。

 食事を噛むための歯やその代わりとなる入れ歯の不具合、顎や舌の筋肉の衰えのために、唾液腺への刺激が伝わらないためと考えられます。

オーラルフレイルという状態や「口腔機能低下症」という病気の可能性が考えられます。

(広報第26号)

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50歳以上の方は

「口腔機能精密検査」

が保険適用です。

 

広報49で取り上げておりますが、

hidekazustom.hatenablog.com

口腔機能低下症を疑う方に対する「口腔機能精密検査」は、50歳以上の方が保険適用となっています。

2026年度に向けた歯科の診療報酬改定の協議でも、口腔機能低下症は重要視されている項目です。50歳、衰えたとお感じの方は少ないかもしれませんが、裏を返せば、できるだけ早期に発見して対応していくことが大切だと考えられます。

 

 

ドライマウスを訴える50歳以上の方には、「口腔機能低下症」も念頭に診察を実施します。

 

 

当院ホームページ

ドライマウス

もどうぞご覧ください!

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最後までご覧いただきありがとうございました。

ひでかず歯科口腔外科クリニック 

院長 佐藤英和