(注意)こちらは、2023年10月発行の、院内広報キトキト第67号の記事の一部です。
こんにちは。10月になりました。
今回は、「剥離性口唇炎(はくりせいこうしんえん)」について少しお話します。
【概要】
主に下唇に生じる、湿った黄褐色のかさぶたや、皮めくれ(落屑)が生じ、自分でそれをむいてしまい、それを何度も繰り返す疾患で、難治性とされます。
子どもに多く見られる一方、成人にも時に見られます。精神的なストレスも関係があるとされます。
薬を使っても、自分で唇の皮をむいてしまうため、症状を繰り返してしまうようです。
当院での診察の際には、自分の唇の皮をむいてしまったり、なめてしまったりする癖があるかどうか、栄養が不足していないかどうかを質問すること、歯や入れ歯の刺激があるかどうか、を確認するようにします。
対応の方針は、唇の乾燥や亀裂を放置すると悪化するため、①癖をやめること、②刺激となるものあれば取り除くこと、③乾燥防止に保湿ケア指導、④症状がひどければステロイド含有軟膏 ⑤ビタミンB2が不足の可能性があれば、ビタミンB2配合製剤の処方 を検討します。
リップクリームや非ステロイドの外用薬の使用が、かえって悪化することもあるようです。
参考: 口腔内科学 永末書店
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和