(注意)こちらは、2021年12月発行の、院内広報キトキト第46号の記事の一部です。
こんにちは、12月になりました。本年もあと1月です。
今回は、厚生労働省からの「NDBオープンデータ」で、歯科の外来保険診療で院外処方があった漢方薬の上位10 方剤のうち、5剤(半夏瀉心湯・白虎加人参湯・五苓散・加味逍遙散・立効散)について取り上げます。
最も多かった処方が、口内炎にも適応となっている「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)(本広報第32号にも取り上げました)」でした。口内炎以外にも、お口の神経症の適応も考えられます。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)および五苓散(ごれいさん)は、歯科では口腔乾燥症への処方が多い印象ですが、五苓散はお口のむくみにも適応が考えられます。
加味逍遙散(かみしょうようさん)は、婦人科などで処方される印象ですが、お口においても「上半身の灼熱感」が使用目標としてあるためか、舌痛症などお口の灼熱感などにも適応が考えられます。
立効散(りっこうさん)は歯痛・抜歯後の痛みに適応ですが、使用目標に「口腔内の腫脹および疼痛」ともあり、口腔粘膜の痛みにも効果を発揮している経験があります。
次回は麦門冬湯、抑肝散、桂枝加朮附湯、半夏厚朴湯、十全大補湯の5剤ついてお話します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和