(注意)こちらは、2022年1月発行の、院内広報キトキト第47号の記事の一部です。
今回も、厚生労働省からの「NDBオープンデータ」で、歯科の外来保険診療で院外処方があった漢方薬の上位10 方剤のうち、5剤(麦門冬湯(ばくもんどうとう)・抑肝散(よくかんさん)・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう))を取り上げます。
麦門冬湯は、乾いた咳の症状に使用されますが、「咽喉の乾燥感や違和感」が使用目標にあり、痰の切れにくい咳を伴うなどの口腔乾燥も有効性が期待されています。
抑肝散は、使用目標が、神経過敏で興奮しやすく、怒りやすい、イライラする、眠れないなどの症状とされます。ストレス反応と関連する口腔症状の緩和が期待されます。
桂枝加朮附湯は、関節痛や神経痛に効能があり、冷えで痛みが増す症状が使用目標とされます。
半夏厚朴湯は、気分がふさいで、咽喉や食道部の異物感に効果が期待されます。ストレス反応と関連する口腔症状の緩和が期待されます。嚥下障害にも有効性があるようです。
十全大補湯は、貧血や体力低下に使用されますが、使用目標に「口内乾燥感」、「高齢者の虚弱(フレイル)」もあり、オーラルフレイルや、その生薬成分から口腔粘膜の脆弱さの改善も期待されます。
【参考図書】
歯科漢方医学 永末書店
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ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和