院長ひでかずのブログ

ひでかず歯科口腔外科クリニック、院長の佐藤英和です。「院内広報キトキト」のテーマ記事、「院長ひでかずの小話」などを掲載していきます。皆様に少しでもお役に立ましたら幸いです。

口内炎、 飲み薬はないの?【院内広報キトキト第36号】

(注意)こちらは、2021年2月発行の、院内広報キトキト第36号の記事の一部です。

 

 当院は、口内炎の症状で受診をいただく方が多いです。

 その治療薬を選択する際に、「飲み薬はないのですか?」と質問をいただく機会がございます。

 アフタ性口内炎の際、自身の経験上、適応の塗り薬(ステロイド外用薬)を選択する場合が多いのですが、「ベトベトした軟膏が苦手」「塗っても唾液ですぐ流れてしまって効果を感じない」などで、内服薬のニーズがあられるのかもしれません。

 

 今回は、口内炎に適応のある飲み薬について少しお話しします。

 

 処方薬の添付文書上、口内炎に適応のある内服薬には、トラネキサム酸、漢方薬半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)・黄連湯(おうれんとう)・茵ちん蒿湯(いんちんこうとう)などが挙げられます。ビタミン製剤も、ビタミンの欠乏や代謝障害の診断となれば、適応となることがあります。 

 トラネキサム酸は、止血剤の適用がありますが、口内炎における口内痛および口内粘膜アフター(添付文書の記載通り)にも適応です。主に抗プラスミン作用により消炎が期待されます。ただし、血栓を有する方、腎不全の方への慎重投与、そして副作用も無くはないため、注意が必要です。

 漢方薬は、漢方医学的に口内炎を「熱」の症候のひとつと考え、その熱を冷ます「清熱(せいねつ)」を目的としたものが挙げられています。体の状態に応じ薬を選択し、口内炎をできにくくしていくのが目標と考えます。半夏瀉心湯は、以前の広報(32号)でもお伝えしましたが、直接口腔粘膜に作用することも期待されます。そして、漢方薬も決して副作用のない薬ではございません。

 内服薬の処方の際は、とくにその効果と副作用の有無を、慎重に評価していくことが大切と考えております。

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ひでかず歯科口腔外科クリニック 

院長 佐藤英和