(注意)こちらは、2021年3月発行の、院内広報キトキト第37号の記事の一部です。
こんにちは、3月になりました。
新型コロナウイルス感染症が国内で発生してから1年が経過し、分かってきていることもあれば、いまだに分からないこともあります。
症状および後遺症のなかで当院に関連があるとすれば、味覚障害がありますが、発表されている現状をお知らせいたします。
【なぜ、新型コロナウイルス感染で味覚症状が生じるのか?】
舌粘膜にはACE2(ACE:アンジオテンシン変換酵素)が多く発現しており、新型コロナウイルスが舌粘膜などに感染した結果、味覚障害が生じている可能性があるとされています。また、嗅覚障害に伴う風味障害も、味覚の症状として現れると考えられます。
(参考:日本歯科医師会雑誌Vol73 No.10 )
【後遺症としての味覚障害】
本年2月4日の第31回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議の資料によりますと、国立国際医療研究センターでの疫学調査では、新型コロナウイルス回復者のうち何らかの後遺症自体は退院後2か月で48%、4か月でも27%の方に認められるとされています。年代別では、30歳代以降はせき、倦怠感、呼吸困難が多い一方、20歳代は嗅覚障害・味覚障害がそれぞれ50%、47%と多くなっているようです。
後遺症の原因には、ウイルスの過剰な炎症(サイトカインストーム)、活動性のウイルスそのものによる障害、不十分な抗体による免疫応答などが挙げられているものの、明確にはなっていないとされています。
これらの味覚障害に対し、現時点で確立された治療法はないとされております。続報が待たれますが、感染しないことが何より大切なのは言うまでもありません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和