(注意)こちらは、2022年10月発行の、院内広報キトキト第56号の記事の一部です。
こんにちは、10月になりました。
季節の変わり目や環境の変化などで体調を崩すと、口内炎ができる方がおられるかもしれません。さらに痛みがあると、食事や会話がつらく、ゆううつになりますね。
今回は、口内炎の痛みに対するお薬について、少しお話をしたく思います。
【いわゆる「痛み止め」】
口腔粘膜における炎症の指針など(*1、*2)には、痛みの改善を目的に「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの記載があります。
NSAIDs、例えばロキソプロフェンナトリウムの添付文書では、その「効能または効果」に、歯痛・手術後(抜歯後も含む)・外傷後の鎮痛・消炎という記載がありますが、口内炎の記載はありません。
アセトアミノフェンは、本年(2022年)7月に厚生労働省より「各種疾患および症状における鎮痛」への適応となりました。
【口内炎の痛みに適応のある、他の薬剤】
トラネキサム酸には、「口内炎における口内痛および口内粘膜アフター」の適応があります。
漢方薬の立効散(りっこうさん)には、使用目標(証:しょう)に、「歯痛・歯齦痛および口腔内の腫脹・疼痛に用いる」とあります。
勤務医時代、「薬は適応を間違えないこと」と指導医より教わりました。
改めて、適切な処方を心がけたいと思います。
*1:重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎 平成21年5月 厚生労働省
*2:口腔扁平苔癬全国調査に基づいた病態解析および診断基準・治療方針の提案 日口内誌 2015年12月
*3 保医発0729第3号 厚生労働省
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和