院長ひでかずのブログ

ひでかず歯科口腔外科クリニック、院長の佐藤英和です。「院内広報キトキト」のテーマ記事、「院長ひでかずの小話」などを掲載していきます。皆様に少しでもお役に立ましたら幸いです。

口内炎と漢方薬① ②【院内広報キトキト第4・5号】

(注意)こちらは、2018年6・7月発行の、院内広報キトキト第4・5号の記事の一部です。

 6月になりました。

 緑が鮮やかで、風が心地よい5月から、梅雨の時期を迎えますね。6月は祝祭日が無く、天気も湿りがちで、気が滅入ってしまう方、疲れやストレスを感じる方もいらっしゃるかもしれません。そして、そのような時に口内炎がよくできてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

 実は私(院長)、小学生の頃に大変頻繁に口内炎(アフタ)が出来ていました。お陰様で栄養状態は良かったと思いますので、祖母からも「この子はどうしてこんなにアフタができるのかねぇ?」といつも不思議がられていました。祖母は口内炎の原因が栄養不足と捉えていたのでしょう。

 今、自分がそのような患者さんに向き合うようになって小学生の頃を振り返りますと、

 乳歯から永久歯の交換時期であり、咬み合わせになれないうちに口腔粘膜を咬んでしまっていた。

 学校でのストレス(先生が怖かった、与えられた仕事をうまくこなせなかった、学級委員のストレスなど)

 実際に当時の私、「アフタがよくできる」以外にも、よくお腹を下す、ストレスがたまる、学校に行くのが億劫、などの心身の症状がありました。とにかくアフタができたらステロイドの軟膏、加えて、ビタミン剤を一緒に服用するよう言われました。

 ・・・すみません、スペースが足りなくなりましたので、次回へと続きます。

 (以下、その次回になります)

 7月になりました。ジメジメとした日々が続き、心も体もなんだかスッキリとしない感じがしますね。梅雨明けが待ち遠しいです。

 さて、前号の「口内炎漢方薬」の続きです。

 漢方医学では、口内炎は「口瘡(こうそう)」と言われます。漢方医学は診断に「証(しょう)」というものが用いますが、口瘡は基本的には「熱証」とされています。口内「炎」と「熱」証、ピンときますね。

 その熱証も、大きく分けると、「実熱」と「虚熱」に分けられます。

 漢方医学は、バランスの医学の考え方もあり、「熱」が有り余って口内炎などの症状を出すという考え方や、身体が相対的に熱を抑えきれなくなって症状を表す、という考え方もあります。それによって同じ口内炎でも処方を検討する漢方薬が異なるのです。

  漢方独特の診察もあります。

 問診の際、「お通じはどうですか」と伺うことがよくあります。便秘・下痢も、「熱」「冷え」を表し、それによって同じ口内炎でも処方する漢方薬は異なります。

 また、脈を診たり、時にお腹を触らせていただくこともあります(もちろん同意を得てです。)これも、漢方薬を決めるうえで大切な診察だったりします。

 現在、歯科保険診療では11種類の漢方薬が認められております。残念ながら、口内炎のすべての証には保険対応ができません。場合によっては自費でご提案することもあります。

 (2023年10月 補足)

 歯科保険診療における漢方薬の適応は、審査支払機関で個別に審査をいただいているという情報を、学術学会などで得ております。

 保険診療には、一定のルールがございます。

 当院では、患者の皆様の不利にならないような、適切な漢方エキス剤の運用を心がけてまいります。

hidekazu-shika.jp

最後までご覧いただきありがとうございました。

ひでかず歯科口腔外科クリニック 

院長 佐藤英和