(注意)こちらは、2020年12月発行の、院内広報キトキト第34号の記事の一部です。
こんにちは、12月になりました。寒くなってまいりました。
ところで、左のイラスト【2023年11月補足:後にお示しする記事画像をご覧ください】のように、舌の縁がでこぼこしている、歯形がついていると受診いただいたり、舌の診察をするとみられたりすることがあります。
今回はこの状態のお話をいたします。
舌の縁のでこぼこや歯形は、歯痕舌(しこんぜつ)と呼ばれます。舌自体が大きく膨らみ、歯を内側から圧迫することが続くとこの形になるとされます。この状態に至るには、胖大舌(はんだいぜつ)という状態を同時に認めることが多いとされます。
胖大舌は、舌が腫れぼったく膨らんでみえる状態です。
西洋医学的には、慢性腎炎、血管系あるいはリンパ系での障害、睡眠不足、アルコールによる水分の摂りすぎ、点滴の量の増加などが原因と考えられています。
生まれつき歯痕舌である方もおられるようですので、歯痕舌が直ちに病気と結びつくとは限りませんが、心臓への負担を伴う病気、思考能力の低下、関節の痛み、食欲不振、頭痛、からだを動かしたくないなどの症状を伴う方にみられるかもしれません。
東洋医学では、血液以外のからだの液体の流れの滞り(水滞:すいたい)に伴い生じるという考え方です。背景に冷え、元気の不足(気虚:ききょ))などを考えます。それに応じた漢方治療が考えられます。
参考:ドライマウスの臨床 医歯薬出版
最後までご覧いただきありがとうございました。
ひでかず歯科口腔外科クリニック
院長 佐藤英和